鬱に効く薬膳や素材を中医学で見てみよう!

理論や症状
たまも
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朔太郎くんの先生、玉藻です。

現代人はストレスフルだとよく言われています。

そんな中で現代病の1つとして挙げられるのがを筆頭とする精神的な症状。

鬱と診断されないものの、鬱状態になった事がある人は多いのではないでしょうか?

そんな時、気持ちを癒せる素材薬膳を知っていると非常に便利です。

今日は鬱に効く素材や薬膳を見ていく事にしましょう。

まずこの記事の概要からどうぞ!

この記事の概要

概要は以下のようになります。

鬱証に効く素材は以下のようになります。

作用 素材
気の流れを改善 柑橘系の果物、ナタマメ、ラッキョウ、ジャスミン、玫瑰花、陳皮、山査子
血と気を養う うるち米、もち米、ジャガイモ、カボチャ、にんじん、ホウレンソウ、干しシイタケ、ブドウ、ライチ、鶏肉、牛肉、イカ、当帰、竜眼肉黄耆、甘草
体内の液体を補う 牛乳、チーズ、ゴマ、卵、百合根、麦門冬、玉竹
上がった気を下ろす 里芋、からし菜、ラッキョウ、みかん、かぶ、大根、陳皮、茉莉花、杏仁
神を安定させる あわ、せり、カモ肉、牡丹皮、酸棗仁、決明子、五味子
  • 主に鬱証は心、脾、肝が関係し、特に肝からの影響が強い
  • 気の流れを良くする素材と同時に、血の流れを良くする素材を使うと良い

さて、概要が分かったところで早速本題を見ていきましょう!

 

鬱に効く素材を見てみよう

たまも
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まずは鬱に効く素材を確認してみましょう。

作用 素材
気の流れを改善 柑橘系の果物、ナタマメ、ラッキョウ、ジャスミン、玫瑰花、陳皮、山査子
血と気を養う うるち米、もち米、ジャガイモ、カボチャ、にんじん、ホウレンソウ、干しシイタケ、ブドウ、ライチ、鶏肉、牛肉、イカ、当帰、竜眼肉黄耆、甘草
体内の液体を補う 牛乳、チーズ、ゴマ、卵、百合根、麦門冬、玉竹
上がった気を下ろす 里芋、からし菜、ラッキョウ、みかん、かぶ、大根、陳皮、茉莉花、杏仁
神を安定させる あわ、せり、カモ肉、牡丹皮、酸棗仁、決明子、五味子

この中から自分に合っている素材を選んで、薬膳を作っていくことをお勧めします。

では、実際のレシピを確認していきましょう。

 

鬱に効く薬膳茶の作り方

さくたろう
さくたろう

鬱っぽい人に僕がいつもおすすめしているのは薬膳茶!

お茶なら気力がなくても作りやすいよね!

まずは用意する素材を見てみましょう。

用意する素材

  1. 陳皮3g 気の流れを良くする
  2. 紅花3g 血の流れを良くする
  3. 紅茶2g 胃を温め、陽気を養う
  4. 竜眼肉5g 血を養う

作り方はとっても簡単です!

素材をお茶パックなどに入れて、熱湯を注いで5分くらいすれば完成!

基本的に鬱証の場合には気の流れを良くするものを使います。

気の流れに問題が起きているという点をしっかりと押さえておくと、素材も選びやすくなりますよ。

しかし、鬱証といっても原因は様々。

原因を見極めなければ適切に素材を選ぶ事は難しいですね。

次に鬱証になる原因を見ていく事にしましょう。

 

鬱の原因ってなに?

現代人が鬱証になってしまう主な原因をまとめてみましょう。

  • 経済的な問題
  • 失業
  • 結婚or離婚
  • 家庭問題
  • 加齢
  • 病気
  • 社会環境等の変化
  • 過労
  • 産後
  • 遺伝

こうした事が引き金となり、鬱証が起きやすいとされています。

また七情で言えば怒り、悲しみ、憂い、考え過ぎ等が深く影響しているんです。

こうした感情が肝の気の流れを司る機能、心の神志を司る機能、脾の運化を司る機能などを阻害してしまいます。

それによって鬱証になってしまうんですね。

鬱証には共通している症状があるので、それをまず確認しましょう。

鬱証に共通する症状

  • 情緒の落ち込み、反応の鈍さ、言葉や動作が減る、疲労感、怒りや不満、意欲減退、絶望感、孤独感、思考力の低下、緊張や不安の高まり、神経質になる、躁と鬱が交互に出て来る、頭痛、ため息、睡眠障害、食欲不振、希死念慮

鬱証に深く関係している臓は肝、心、脾という事になります。

では、それぞれの臓が起こす不調の具体例と、改善するために必要な素材を確認してみましょう。

さくたろう
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特に肝が最も影響するよ!

鬱証の具体例 肝気鬱詰証(かんきうっけつしょう)

肝気鬱詰証は肝の気が上手く巡らない状態になったり、上がり過ぎてしまってめまいやのぼせ等の症状が出て来る事を言います。

具体的な症状は以下の通りです。

  • 共通の症状、めまい、のぼせ、咳、喘息、脇腹が張るように痛む、お腹が張る、しゃっくり、げっぷ、生理不順、生理痛、生理前に胸が張る

こうした症状があると感じた場合には気の流れを良くしてくれるものと、血の流れを良くしてくれるものを同時に使うと良いでしょう。

中医学では気と血は同時に流れていくという理論があります。

それを気血同行と言うんですよね。

その効果を狙っているので気と血の流れを良くしてくれるものを使うと良いんです。

最初の方でお伝えした薬膳茶はまさにこの効果を狙っています。

たまも
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次は肝気鬱詰証が長引いた場合に起きる不調を見ていきましょう。

 

鬱証の具体例2 気鬱化火証

さくたろう
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肝気鬱詰が長引いてしまうと、肝火(かんか)という症状に変わります。

具体的な症状は以下の通りです。

  • 共通の症状、めまい、耳鳴り、目の赤み、口の中が苦い、口渇、不眠や悪夢、胸やわき腹に熱さを伴う痛み、吐血、鼻血、尿の黄色が濃い、便秘

肝火になると肝気鬱詰証の症状に加えて、熱の症状が強く出るのが特徴です。

ですので、使うべき素材は気と血の流れを良くしてくれるものと同時に、熱を冷ましてくれるものを選んでみましょう。

セロリ、白菜、スイカ、梨、緑茶、豆腐、キュウリ、苦瓜などが熱を取ってくれますよ。

中薬で言えば決明子、金銀花、牡丹皮、甘草、薄荷などですね。

さくたろう
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僕は熱を取りたい時、菊花3g、金銀花3g、薄荷1~2gくらいでお茶を作って飲むよ!

次に見ていく症状も肝気鬱詰証が続いた場合に起きるものです。

 

鬱証の具体例3 気滞痰鬱証

たまも
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肝気鬱詰により体液の代謝が悪化し痰湿が生まれると、それが気の流れを阻害します。

具体的な症状

  • 共通の症状に加え、咽喉部の違和感、胸の辺りの不快感、張りなど

こうした場合には気の流れを良くする素材と同時に痰湿を除去してくれる素材を使ってみましょう。

痰湿を除去してくれる素材は里芋、のり、ゴボウ、タケノコなどですね。

中薬だと陳皮、玫瑰花、杏仁、貝母などが挙げられます。

次に見ていくのは虚弱体質や慢性的な精神、肉体疲労によって起きる症状です。

 

鬱証の具体例4 心神不安証

さくたろう
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僕がこれまで見て来た範囲では比較的、女性に多い症状だったよ!

具体的な症状は以下の通りです。

  • 共通の症状、精神不安、動悸、頻繁に泣いたり憂いたりする

心神不安証になるのは先天的に虚弱体質であったり、慢性的な精神、肉体疲労が原因とされています。

それにより血が足りなくなる症状なども出て来るので、血を養い神の状態を安定させる素材を選ぶと良いでしょう。

具体的にはにんじん、ホウレンソウ、小松菜、ブドウ、ライチですね。

中薬だと大棗、竜眼肉、酸棗仁、麦門冬などが挙げられます。

次は心と脾の両方が弱ってしまう症状を確認してみましょう。

 

鬱証の具体例5 心脾両虚証

さくたろう
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気が足りない状態が続くと心と脾が同時に弱って、それが精神的な問題を起こす事があるよ!

具体的な症状は以下の通りです。

  • 共通の症状、動悸、夢をよく見る、めまい、物忘れ、四肢の疲れ、下痢、何もしていないのに汗が滲む

心と脾の気虚が原因で起きているものなので、気を養う者と血を補う素材を中心に選ぶと良いでしょう。

具体例は最初の表にもありますが、一部を紹介します。

うるち米、もち米、鶏肉、ジャガイモ、ブドウ、ライチ、栗、干しシイタケ、イカ、タコなどです。

中薬だと黄耆、大棗、当帰、竜眼肉、人参などですね。

 

鬱証にならないための工夫

さくたろう
さくたろう

僕が日常的に取り組んでいる、精神的なケアを紹介するね!

参考にしてもらえると嬉しいな!

私が日常的に取り組んでいる精神的なケアは以下の通りです。

  • 有酸素運動で血の流れを良くする
  • 筋トレで血の流れを良くする
  • ストレスが溜まる前に気の流れを良くする薬膳茶を飲む
  • お風呂上りにストレッチをして筋肉の緊張を取る
  • 寝る前に背中のストレッチをして、翌日に疲れを持ちこさない
  • ボーっとする時間を作る(15分程度で十分)

気の流れは食べ物などでコントロールするしかありませんが、血の流れは運動によっても改善できます。

まずは日頃から体の手入れをしておく事が重要ですね。

それと同時にストレスが溜まる前に手を打つのが良いですよ。

緊張する場面があると分かっているのなら、その前に気持ちを整えるために気の流れを良くする素材を食べておきましょう。

そうすれば緊張する場面が終わった後も、疲労感が少なくなります。

先手を打てるようになると、気持ちのコントロールがとてもやりやすいです。

 

まとめ

たまも
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では、今回の記事のまとめに入りましょう。

記事のまとめは以下の通りです。

鬱証に効く素材は以下のようになります。

作用 素材
気の流れを改善 柑橘系の果物、ナタマメ、ラッキョウ、ジャスミン、玫瑰花、陳皮、山査子
血と気を養う うるち米、もち米、ジャガイモ、カボチャ、にんじん、ホウレンソウ、干しシイタケ、ブドウ、ライチ、鶏肉、牛肉、イカ、当帰、竜眼肉黄耆、甘草
体内の液体を補う 牛乳、チーズ、ゴマ、卵、百合根、麦門冬、玉竹
上がった気を下ろす 里芋、からし菜、ラッキョウ、みかん、かぶ、大根、陳皮、茉莉花、杏仁
神を安定させる あわ、せり、カモ肉、牡丹皮、酸棗仁、決明子、五味子
  • 主に鬱証は心、脾、肝が関係し、特に肝からの影響が強い
  • 気の流れを良くする素材と同時に、血の流れを良くする素材を使うと良い

ストレスフルな時代だからこそ、日頃から精神面でのケアも必要になります。

出来る事であれば不調が起きる前に手を打っておきたいものです。

日頃から意識的に気の流れを良くする食べ物を使うと良いですよ。

自分では少しコントロールできなさそうだな、と感じたら専門医に診断を受け、その後に私にぜひご相談ください。

何かお手伝いできることがあるかもしれません。

さくたろう
さくたろう

最後までご覧くださり、ありがとうございました!

 

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