
こんにちはー、朔太郎です!

朔太郎くんの先生の玉藻です。
薬膳と聞くと大抵の人が思い浮かべるのが薬膳鍋!
薬膳鍋を売りにしているお店も多くあり、皆さんも一度は食べた事があるのではないでしょうか?
以前、薬膳に関心のある友人が私に質問をしてきました。
『薬膳鍋って入れるものの決まりとかないの?』
ずいぶんと大雑把な質問だったのですが、気持ちはよく分かります。
薬膳鍋って本当にたくさんの種類の生薬(正式には中薬)が使われているんですよね。
友人の真意は「それっぽいものを入れておけば薬膳鍋なの?」という事だったんです。
こういう疑問をお持ちの方もかなりいるので、今回は薬膳鍋について掘り下げていきましょう。
最初はそもそも薬膳鍋とは何なの? というところを玉藻(たまも)先生と見ていきますよー!
この記事の概要
まずはこの記事の概要から見ていきましょう!
- 薬膳鍋は中国で生まれた辛味の強い鍋料理の事
※火鍋=火に掛け煮込みながら食べる鍋料理の意味 - 発祥は内モンゴルとする説もある
- 火鍋の中央にある仕切りは陰陽学説の太極図を示している
- 火鍋の効能は入れる中薬によって異なる
- 薬膳鍋は地域によって内容に変化がある
- 薬膳鍋は1人で薬膳料理を作るよりも精神的に楽
さて、流れが分かったところで薬膳鍋とは何なのか確認しますよー!
薬膳鍋とはどんなものの事なの?

薬膳鍋は中国で生まれた辛味の強い鍋料理の事なんですよ、朔太郎くん。

僕の友達が言っていたように入れるものの決まりがないんでしょうか?

作る鍋によって大抵入れるものもあれば、お店や家によって入れるか入れないか変わるものもありますよ。

日本で言うカレーみたいな感じなんですね……。
薬膳鍋が生まれたのは中国です。
元々は内モンゴルで羊肉料理を食べるための調理法であったという説や四川が薬膳鍋の発祥地だとする説などがあります。
しかし、厳密な事は分かっていないんです。
ですので、薬膳鍋は中国の伝統的な鍋料理だと思っていてください。
ちなみに火鍋は『火に掛け煮込みながら食べる鍋』という意味です。
私たちがよく目にする薬膳火鍋は中央に仕切りがあります。
白い方は白湯(パイタン)と呼ばれる中国の伝統的なスープです。
赤い方は麻辣(マーラー)と呼ばれる辛い味付けのスープですね。

中央の仕切りが湾曲しているのは、中医学の基礎理論でもある陰陽学説の太極図を示しているからなんです。

へー! 遊び心がありますねー!
ところで、薬膳鍋の効能ってどんなものがあるんですか?

分かりました、次は効能について解説していきましょう。
薬膳鍋の効能って?
薬膳鍋の効能は入れる生薬(正式には中薬)によって異なります。
例えば先ほど紹介した火鍋に入っている代表的な中薬を確認してみましょう。
【】内に効能が記載されています。
- 枸杞子(クコの実)【体を潤し、目の疲れを取る】
- ニンニク【発汗により悪寒などを取り除き、熱による不調を改善】
- 花椒【体を温め痛みを緩和し、寄生虫などを取り除く】
- 竜眼肉【血を養い、心を落ち着かせる】
- 当帰【血を養い、痛みを緩和する】
- 生姜【発汗作用により悪寒などを取り除く】
- ナツメ【気血を養い、体を温める】
- 党参(とうじん)【気を養い、体を潤す】
- 良姜(りょうきょう)【発汗、解熱、鎮痛、整腸作用】
- 草果(そうか)【体を温め、余分な水分を取り除く】
- 白豆蔲(びゃくづく)【余分な水分を取り除き、脾胃を温める】
これらを総合した効能が薬膳火鍋にあるという事ですね。
薬膳火鍋が『食べるエステ』『食卓のサウナ』と呼ばれるのも不思議ではありません。

さっき朔太郎くんが言っていたように様々な香辛料、中薬を使っているところはカレーにも似ています。

先生、薬膳鍋って入っているものによって効能が違うんですよね?
薬膳鍋にはどのくらいの種類があるんですか?

分かりました。
他の薬膳鍋も見ていきましょうね。
薬膳鍋の種類
薬膳鍋の種類をまずはまとめてみましょう。
- 海鮮火鍋
- 菊花火鍋
- 牛肉火鍋
- 三鮮火鍋
- 白肉火鍋
- 羊肉の火鍋
- 狗肉の火鍋
- 野味火鍋
全ての火鍋を紹介するのは不可能ですが、一例を挙げるとこのようになります。
もちろん、それぞれ持っている効能も異なっていますよ。
日本でも例えばすき焼きときりたんぽ鍋は同じ鍋料理でも内容が違うものですよね?
火鍋に関しても同じようなものだと思ってください。

先生、こういう違いってどうして出て来るんですか?

理由は様々ありますよ。
例えば地域性の違いが関係しています。

それ、もっと詳しく教えてください!
なんか面白そう!
【閑話休題】薬膳茶と地域性の関係

香港は亜熱帯だから熱を取るものが多い
気候が温暖な地域では体を冷ますもの、寒い地域では体を温めるものが好まれます。
それが地域によって使われる材料が異なる理由の1つですね。

典型的なものは香港の涼茶(リョンチャ)です。
香港は亜熱帯と似たような気候であり、その為に熱さによる不調が起きやすいんです。
そこで香港では涼茶という体を冷まし、熱による不調を改善するお茶が売られています。
日本で言う緑茶のように涼茶がズラーっとスーパーなどに並んでいるんです。
また露店で涼茶を売っている事も多いですね。
亜熱帯地域だからこそ涼茶の出番が多いのでしょう。
代表的な涼茶には五花茶、廿四味茶、鶏骨草茶などがあります。
薬膳鍋のメリットは?
薬膳鍋のメリットは精神的に楽をしつつ、良質な薬膳料理を食べられる点です!
例えば補益類(補気、養血、補陽、滋陰)などの効果を持つ中薬って、基本的に1時間くらいは煮込むものが多いんですよね。
私は薬膳茶を作るのが好きで、補益の効果を持つものもよく使います。
効果はしっかり出ますし、満足していると言えばそうなのですが、やはり待っている時間は

早く出来ないかなぁ……。
と感じるものなんですよね。
1時間て結構長いですよ、それなりのストレスになります。
しかし、薬膳鍋であれば誰かと話しながら食べているうちに1時間以上経過している事もザラにあります。
いつも1人で薬膳茶を作っている時とは比べ物にならないほど時間が短く感じられるんです。
それが非常に大きなメリットですね!
まとめ

今回の記事をまとめていきます!
- 薬膳鍋は中国で生まれた辛味の強い鍋料理の事
※火鍋=火に掛け煮込みながら食べる鍋料理の意味 - 発祥は内モンゴルとする説もある
- 火鍋の中央にある仕切りは陰陽学説の太極図を示している
- 火鍋の効能は入れる中薬によって異なる
- 薬膳鍋は地域によって内容に変化がある
- 薬膳鍋は1人で薬膳料理を作るよりも精神的に楽
個人的に薬膳鍋はとてもお勧めです!
薬膳に興味があるけれどなかなか手を出せないままでいる人にとって、本格的な薬膳料理の威力を感じやすいんですよね。
ぜひ1度は食べてみてください!

最後までご覧くださり、ありがとうございました!
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