

朔太郎くんの先生、玉藻です。

先生、薬膳料理ってどんなものから始めたら良いんでしょうか?

最初は出来るだけ簡単なものが良いですね……。
例えば薬膳スープなどは作りやすいですよ。

僕、最初から薬膳スープは作れなかったなぁ……。
ちょっと敷居が高い感じがして。

実際に作ってみると簡単だったでしょう?

確かに!
作ってみる前に難しいと思っていただけでしたね!

今日は薬膳スープのレシピを紹介していきましょうか。
簡単にできるので、レシピを紹介すれば作ってくれる人が増えるかもしれません。
目次から目的の効果を持つ薬膳スープのレシピまで飛べます!
記事の概要

まずは記事の概要からどうぞ!
- 薬膳スープは作りやすいので初心者向け!
- 素材の効能を覚えると、すぐに薬膳スープを作れる!
- 不通即痛、不栄即痛の原理を覚えておくと素材を選びやすい!
- 原則的に温かいうちに食べる! 冷めると効果薄!
記事の概要が分かったところで、早速本題に入っていきましょう!
薬膳スープのレシピ1 春向け

春は六気の風が強くなり肝が消耗しやすい特徴があるよ!
今回は春に起きやすい苛立ち、不眠などに効果があるレシピを紹介するね!
菊花スープ
- 菊花 6g
- 葛根 3g
- セロリ 2分の1本
作り方
- 葛根を300㏄の水が半量になるまで煮る
- セロリも一緒に入れておく
- 水量が半減したら、菊花を加えて5分煮る
- 塩で味を調えて完成

菊花、葛根、セロリは清熱類という熱を冷ます素材に分類されます。
風邪の後期段階の熱冷ましなどにも使えます。
これまでの記事の中でもお伝えしている通り、薬膳は素材選びが何よりも重要です。
そこで8割方は完成しているといっても過言ではありません。
菊花、葛根、セロリの3つは体を冷ましてくれるものだと、何となく頭の片隅に置いてください。
その他、熱を冷ます素材は白菜、キュウリ、トマト、リンゴなどがあります。
薬膳スープのレシピ2 梅雨向け

梅雨は六気の湿が強くなり、脾を消耗しやすい時期!
体内の余計な水分を取り除く素材を使おう!
トウモロコシと小豆のスープ
材料
- スイートコーン缶1つ
- 小豆 50g
- ハト麦 10g
- ソラマメ 5粒前後
- 水 400㏄
作り方
- ソラマメは皮に切れ込みを入れ、茹でておく
- 小豆は水に一晩漬け、柔らかくしておく
- スイートコーン缶、水、小豆を小鍋の中に入れ15分程度煮る
- ハト麦を加えて5分煮立たせ、器に盛ってソラマメを乗せる
- 完成
ソラマメ、小豆、トウモロコシ、ハト麦は利尿作用によって体内の余計な水分を取る効能を持っています。
スーパーなどでも全ての素材を買いやすいので、とても手軽に作れるレシピです。

個人的に小豆とハト麦は味の相性が良いと感じているよ!
香ばしい風味が好きな人にはおすすめの組み合わせ!
手軽に体内の水分を取りたい人はコーン茶、ハト麦茶などで代用するのもアリ!
薬膳は毎日使う事で体質改善を目指すものなので、続けられそうなものを選んでみましょう。
薬膳スープのレシピ3 夏向け

夏は潤す、冷やすが鉄則!

夏は六気の暑、火が強まり心が消耗しやすい時期です。
体を冷やすもの、潤すものを意識的に使いましょう。
トマトと豚肉の冷製スープ
材料
- トマト1つ
- きゅうり 2分の1本
- 豚肉 150g
- 水 400㏄
- 塩コショウ 少々
作り方
- トマトを一口大のさいの目に切る
- きゅうりは薄めの輪切りにする
- 水、トマト、キュウリを鍋に入れ15分ほど煮込む
- 塩コショウで味を調える
- 粗熱を取ったら冷蔵庫で1時間ほど冷やす
- 豚肉を茹でて、氷水で洗う
- スープに豚肉を乗せて完成
キュウリ、トマトは体を冷やしてくれる素材です。
豚肉は体を潤してくれるものなので、夏にはとても向いている食薬となります。
しかし、熱いスープのままだと逆に体に熱が入ってしまう危険性もあるんです。
夏には冷やして食べる冷製スープがとても良いですよ。
温める、冷やすという手法も上手に使って季節に対応していきましょう。
薬膳スープのレシピ4 秋向け

秋は六気の燥が強くなり肺を消耗しやすい時期です!
体を潤す素材を積極的に使っていきましょう!
クコと銀耳のスープ
材料
- 銀耳 10g
- クコの実 5g
- 水 300 ㏄
- 塩 少々
作り方
- 銀耳は一晩水に漬けておく
- 水と銀耳、クコを鍋に入れて煮る
- 銀耳が柔らかくなったら塩で味を調える
- 完成
銀耳、クコは体を内側から潤してくれる作用があります。
燥が強くなる秋にはもちろん、水分を消耗しやすい夏にも使いやすい素材です。
燥による咳を止める効果も狙えますよ。
その他、体を潤してくれる素材には牛乳、豚肉、チーズ、ヨーグルト、ごまなどがあります。
薬膳スープのレシピ5 冬向け

冬は六気の寒が強くなり腎を消耗しやすい時期です!
体を温めるもの、潤すものを意識的に選びましょう!
豚肉と薬味のスープ
材料
- 葱 半分
- 生姜チューブ 3㎝程度
- 豚肉 100g
- 水 4カップ
- 塩コショウ 少々
- 唐辛子 少々
作り方
- 葱は薄く斜めに切る
- 葱、生姜、豚肉、水、唐辛子を鍋に入れ煮る
- 豚肉に十分火が通ったら、塩コショウで味を調える
- 完成
葱、生姜は発汗作用により寒さを退治してくれる効果があります。
唐辛子、胡椒は臓腑を温め、抗寒作用を高めて冬を過ごしやすくしてくれるんです。
豚肉は体を潤す役割があり、冬にもお勧めできますね。

体を温める素材は紫蘇、ミョウガ、三つ葉などが含まれます。
臓腑を温める素材には黒砂糖、鮭、ニラ、シナモンなどがありますよ。
冬は温める、血、気、津液(水)を補う事が重要です。
腎が消耗しやすい時期には体が全体的に消耗します。
努めて補うと良いでしょう。
薬膳スープのレシピ6 美肌作り

美肌についてはこちらの記事にまとめてあります。
ご参照ください。

薬膳スープのレシピ7 疲労回復

疲労回復には気を補う方法が良く使われます!
慢性疲労、無気力、何もしてないのに汗がにじむなどの人向けレシピを紹介しますよー!
黄耆(おうぎ)と大棗(たいそう)の鶏肉スープ
材料
- 黄耆 15g
- 大棗 15g
- 鶏肉 50g
- 水 300㏄
- 塩 少々
作り方
- 大棗は種を取り刻む
- 鶏肉は一口大に切り分ける
- 黄耆、大棗は水に浸し20分放置する
- 黄耆、大棗、鶏肉を鍋に入れ20分以上煮る
- 完成

これ疲れが酷い時に僕が作るレシピなんだ!
疲れがジワーっと癒されていくのを感じられるよ!
鶏肉、黄耆、大棗は気を養う素材です。
黄耆、大棗は薬膳料理を作る際、とてもよく使われるのでぜひ効能を覚えていてください。
気、血、津液(水)を養ってくれるものが分かっていると、パパッと薬膳を作れるようになります。
調べる時間がなくなるだけでも薬膳の敷居が低くなりますよー!
薬膳スープのレシピ8 生理痛、冷え性改善

生理痛は気、血の巡りの不調、気、血の不足、体を温める機能の低下、寒邪の侵入、熱邪が主な理由です。
今回は気、血の巡りを良くするレシピをご紹介します。
マイカイカと玉ねぎの大棗スープ
材料
- マイカイカ 10g
- 玉ねぎ 半分
- 大棗 5~8粒
- 水 400㏄
作り方
- 大棗は種を取り刻む
- 大棗を水に浸して30分程度置く
- 玉ねぎは薄くスライスしておく
- 大棗と玉ねぎを鍋に入れ20分ほど煮込む
- マイカイカを入れ10分ほど煮込んで完成
- 食べる前にマイカイカは取り除く

西洋ではメイクイという名前

生理痛について質問される事が多いから、少しだけ補足説明をするよ!
生理痛についての中医学的見解

不通即痛、不栄即痛を覚えよう!

中医学では健康な人に生理痛はないとされています。

確かに僕、生理痛になった事がありません!

……黙っていてもらえますか?

……はい。

中医学では痛みが起こる原理を不通即痛(ふつうそくつう)と不栄即痛(ふえいそくつう)だと考えています。
不通即痛というのは気や血が滞る、つまり巡りが悪くなると痛みが出るという理論です。
不栄即痛は営養(体を養う力)する力の不足によって痛みが出るという理論になります。
寒さ、ストレスなどによる気や血の滞り、虚弱や栄養不足によって体に血と気が不足している状態などが痛みの原因になるんです。
ですので、生理痛に悩んでいる方はご自身がどの状態に当てはまっているのか、簡単にでも良いので確認してください。
例えばストレスが溜まっているのなら気と血の巡りを良くしていく方法を試してみましょう。
冷えの症状が酷い人は体を温めるものを試すと良いですよ。
薬膳スープのレシピ9 貧血改善

貧血気味の人は血を補う素材を使ったレシピを使ってみましょう!
ほうれん草と牛肉のスープ
材料
- ほうれん草 1束
- 牛肉 150g
- しめじ 30g
- 水 300㏄
- 塩コショウ少々
作り方
- ほうれん草、牛肉は食べやすい大きさに切り分ける
- 鍋に材料を全て入れ、20分ほどコトコト煮込む
- 塩コショウで味を調えて完成
牛肉、ホウレンソウは血を補う素材です。
血と気は同時に養った方が良いので、気を養うしめじを入れると良いでしょう。
キノコ類は気を養ってくれるものなので、それだけでも覚えていると薬膳料理を作りやすくなりますよ!
また肉の方が植物よりも体を養う効果が強い点も重要です。
効果の強弱などもざっくりとで良いので把握しておくと、素材選びがより楽になります。
薬膳スープは作りやすくて初心者向け!

これから薬膳料理を作ろうとしている人に、薬膳スープはとってもおすすめなんだよ!
まず作り方がとても簡単です。
簡単な話、水で素材を煮れば良いだけなので手間も掛かりません。
また効果を感じやすいというのも利点の1つです。
個人的には薬膳茶を最も強くお勧めしているのですが、スープでも全く構いません。
それにスープの方が薬膳料理らしさが出て、気持ちの面でも満足感が高まります。
しかし、重要な点があります。
原則的に温かいうちに食べる事!(冷製のものを除く)
私が何度も読み返した茶の経典と言われる「茶経」にも、薬膳茶は温かいうちに飲まなければならないと書かれています。
冷めるとせっかく作ったのに効果が薄まってしまいますよ。
ですので、冷めてしまったら温め直してから口にするよう心掛けましょう。
まとめ

今回の記事をまとめていくよー!
- 薬膳スープは作りやすいので初心者向け!
- 素材の効能を覚えると、すぐに薬膳スープを作れる!
- 不通即痛、不栄即痛の原理を覚えておくと素材を選びやすい!
- 原則的に温かいうちに食べる! 冷めると効果薄!

夕食のスープだけでも薬膳の知識を取り入れてみてください!

家族の健康を守る方法が増えるのは嬉しい事ですね。

覚える事が多いから敬遠されがちな薬膳だけど、実際に作ってみると結構簡単だと分かるよ!

案ずるより産むが易しという事ですね。

そうですね!
最後までご覧くださり、ありがとうございました!
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