

朔太郎くんの先生、玉藻です。

先生、薬膳て素材選びが重要ですよね?

それが一番大事だと言っても過言ではありませんね。

でも、素材を選ぶためには症状の分析と素材の効能を覚える必要がありますよね?

その通りですね。

なので、今回は中医学の体質チェックをするために必要な事をまとめようと思うんですが、どうでしょう?

なるほど、それはとても良いと思います。
体質が分かれば素材選びの助けにもなりますね。

ですよね!
よーし、じゃあ今回は中医学に基づく体質チェックをしていきましょうー!
気になる症状がある人は目次から目的の部分に飛んでね!
この記事の概要

まずはこの記事の概要から見ていこう!
- チェックするポイントは流れと量!
- 気の流れ、量が適切で十分かチェック!
- 血の流れ、量が適切で十分かチェック!
- 熱、寒さなどの症状も観察!
- 体内の液体の量が十分かも確認!
では、早速本題に入っていきますよー!
まずは気が十分かどうかを確認!
中医学の体質チェック1 気虚(ききょ)

まずは気の強さからチェックしていきましょう!
3つ以上当てはまれば、気が弱っている危険性があるよ!
気が虚弱になっているかどうかのチェック
- 息切れ
- 疲れ
- 何もしていないのに汗がにじむ
- めまい
- 動くと悪化
- 舌の色が薄く、舌苔が白い
- 胃下垂
- 慢性的な下痢
- 腹部の膨満感

気が弱る状態を中医学では気虚(ききょ)と言います。
その場合、補気類(ほきるい)と呼ばれる気を補う効能を持つ素材を使いましょう。
補気類の素材には鶏肉、うるち米、もち米、ジャガイモ、栗、桃などが含まれます。
普段の食生活で意識的に取り入れる事をお勧めしますよ。
気虚になる原因として代表的なのは先天的な虚弱体質、過労、慢性的な病、衰老などがあります。
気の問題で怒りやすいのは気虚だけではありません。
次は気の流れが滞る、気滞証(きたいしょう)かどうかを確認します。
中医学の体質チェック2 気滞(きたい)

気が滞るのを気滞っていうよ!

次は気の流れを確認していきましょう!
3つ以上当てはまれば、気が滞っている危険性があるよ!
気の流れが順調かどうかのチェック
- ため息
- 鬱気味
- 精神的に不安になりやすい
- 緊張感が抜けない
- 食欲不振
- 脇やわき腹に掛けて膨張感がある
- お腹が張る
- 生理前に胸が張りやすい
- 生理不順

気の流れが阻害される代表的な原因は長期間の緊張や不安、ストレスです。
気滞証を改善するためには柑橘系の果物やお蕎麦、らっきょう、玉ねぎなどがお勧めですよ。
一緒に血の流れを良くしてくれるチンゲン菜、お酢、紅花、鬱金(うこん)などを使うとさらに効果的です。
注意点は血の流れを良くするものは月経中に使わない事。
血が出過ぎてしまって、他の問題を誘発するので注意してください。
気虚、気滞だけではなく気の流れが逆行する気逆証もあります。
次は気逆証のチェックをしてみましょう。
中医学の体質チェック3 気逆(きぎゃく)

気の流れが停滞、逆行しているかどうかを調べるよ!
3つ以上チェックが付いたら要注意!
気の流れが停滞、逆行しているかどうかのチェック
- 頭痛
- めまい
- 卒倒
- 咳
- 喘息
- しゃっくり
- げっぷ
- 吐き気
- 嘔吐

気の流れが停滞、逆行する原因は外から邪気が侵入、ストレス、情緒の激しい変動などが挙げられます。
気逆証を改善するためには気滞証と同様、気の流れを良くしてくれるものがお勧めです。
柑橘系の果物、お蕎麦、らっきょう、玉ねぎ等を使うと良いですね。
気滞証と同様、血の流れを良くするものを同時に使ってみてください。
ちなみに五臓六腑にはそれぞれ気が向かう方向があります。
例えば胃は食べ物等を気が下に向いており、それによって食べ物等が腸へ運ばれるんです。
しかし、胃の気が逆行すると嘔吐や吐き気が起こります。
血は気の母、気は血の帥と呼ばれるほど血と気は密接な関係です。
次は血の問題について確認していきます。
中医学の体質チェック4 血虚(けっきょ)

血の量が十分かどうかをチェックしましょう。
3つ以上当てはまれば注意が必要です。
血の量が十分かどうかのチェック
- 顔色が青白い
- 唇や爪の色が青白い
- めまいや動悸
- 不眠
- 手足のしびれ
- 経血量が少ない
- 生理不順
- 舌の色が淡く、苔が白い

血が足りなくなる主な原因は虚弱体質、出血、消化器官の疾病、慢性的な病、ストレス、血の塊がある等です。
こうした症状がある場合、血の量を増やしてくれる素材を使ってみましょう。
ブドウ、竜眼肉、牛肉、イカ、タコ等が血を増やす素材です。
津血同源(しんけつどうげん)の規則から体液を補ってくれる素材を使うのも良いでしょう。
その場合は卵、豚肉、牛乳、チーズ、ヨーグルト、ゴマなどを使ってください。
中医学の体質チェック5 血熱(けつねつ)

熱に関する症状が出やすいよ!

血に熱がこもっているかどうかのチェックをしよう!
3つ以上当てはまったら注意しようね!
血に熱がこもっているかどうかのチェック
- 熱感がある
- 顔が赤い
- 喉が渇きやすい
- 鼻血が出やすい
- 皮下出血しやすい
- 歯茎から血が出やすい
- 血尿などの各種出血
- 舌の色が濃い赤になっている

血に熱がこもる主な原因は暑、火邪の侵入、陰邪の侵入、お酒の飲み過ぎ、悩み過ぎ、怒り過ぎなどがあります。
こうした状態を改善するには熱を冷ます、とりわけ血の熱を取る効能を持つものがお勧めです。
熱を冷ましてくれる素材はセロリ、きゅうり、トマト、リンゴ、白菜などがあります。
血の熱を取る素材は生地黄(しょうじおう)、牡丹皮(ぼたんぴ)、紫草(しそう)などです。
血に熱がこもるだけではなく、血が冷えてしまう事でも問題が起きます。
次は血が冷える症状について確認しましょう。
中医学の体質チェック6 血寒(けっかん)

血が冷えているかどうかを確認していこう!
3つ以上チェックが付いたら注意が必要だよ!
血が冷えているかどうかのチェック
- 顔色が紫紺or青白い
- 冷えの症状がある
- 疼痛
- 温めると症状が緩和できる
- 生理不順
- 生理痛
- 舌の色が薄く暗い、苔は白い

血が冷える原因は陽気の不足、寒邪で血の塊が出来る、気が滞る事です。
血の冷えは体を温める事によって対応出来ます。
素材で言えば生姜、紫蘇、ミョウガ、ネギ、三つ葉、シナモン、黒砂糖、胡椒、唐辛子、鮭などですね。
香辛料系は多用すると臓腑への負担が大きくなるので注意してください。
血が冷えると特に疼痛の症状が目立ちます。
大切なところなので少し掘り下げましょう。
不通即痛(ふつうそくつう)を覚えよう!

不通即痛です、不通即痛

中医学では気や血が滞ると痛みが生まれると考えているのです。
それを不通即痛(ふつうそくつう)と言います。
慢性的な痛みの症状があるのなら不通即痛を疑ってみると良いですよ。
特に刺すような痛みがある場合には不通即痛が起きている危険性が高いです。
例えば頭痛や生理痛などを目安にしてみると良いでしょう。
不通即痛以外にも不栄即痛(ふえいそくつう)という、体内が滋養されていない事による痛みなどもあります。
不通即痛が起こりやすい血淤証(けつおしょう)についてみていきましょう。
中医学の体質チェック7 血淤(けつお)

血の流れが緩慢になるのが血淤証(けつおしょう)だよ!
3つ以上当てはまったら血淤症を疑ってみてね!
血の流れが緩慢かどうかのチェック
- 刺すような激烈な固定の位置に出る痛み
- 痛みのある部分を触ったり夜になると悪化する
- 経血に黒みのある塊がある
- 顔色が紫紺
- 皮膚が粗い
- 唇、詰めの色が暗い
- 生理痛
- 舌に暗い斑点がある
- 舌の下にある静脈が張っている

血淤症(けつおしょう)になる主な原因は寒邪の侵入、気の滞り、気の虚弱、外傷等です。
血淤症(けつおしょう)を駆逐するためには血の流れを良くしてくれる素材がおすすめですね。
具体的にはチンゲン菜、お酢、紅花、鬱金(うこん)等になります。
それと同時に気の流れを良くしてくれる素材も使うとさらに良いです。
柑橘系の果物、お蕎麦、らっきょう、玉ねぎなどを併用してみましょう。

気と血を流す素材を同時に使う理由も説明した方が良さそうですよね?

そうですね。
では、国際薬膳師の朔太郎くん、解説をお願いします。
気血同行(きけつどうこう)を覚えよう!
中医学では血と気は同時に流れるとする気血同行という規則があります。
その為に気の流れを良くする素材と、血の流れを良くする素材を同時に使うと効果が高まるんです。
これは薬膳を作る際にとてもよく使う理論でもあります。
ぜひ覚えていてくださいね。

僕はメンタルに関心が強いから気血同行の理論はよく使うよ!
血に関する体質チェックはここまでとなります。
次は体内の液体、津液(しんえき)のチェックをしていきましょう。
中医学の体質チェック8 体内の液体(津液)

乾燥に関する症状が多くなるのが特徴!

体内の液体が十分かどうかのチェックをしていこう!
3つ以上当てはまる人は注意してね!
体内の液体が十分かどうかのチェック
- 喉が渇きやすい
- 皮膚の乾燥や痒み、キメの粗さ
- 髪に艶がない
- 便秘
- 尿が少ない
- 舌が赤く、潤いが少ない

体内の液体が不足する主な原因は体液の生成不足と過度な消耗です。
例えば水分の制限、疾病、高熱、嘔吐、下痢、多尿などで体液が消耗されます。
こうした状態を改善するには体を潤してくれる素材を選ぶと良いでしょう。
具体的には卵、牛乳、チーズ、ゴマ、豚肉、ヨーグルトなどです。
また津血同源(しんけつどうげん)の理論から血を補うものも良いとされています。
その場合ニンジン、ホウレンソウ、ブドウ、ライチ、イカなどを使ってください。

ふー!
ここまでで体質チェックは終わり!
参考にしてくれたら嬉しいな!
体質チェックの次は素材選びをしてみよう!

ご自分の体質、どれに近いか分かりましたか?
その次は自分に合っている素材を見付けましょう。

中医学では気血同行、津血同源、精血同源などのように色々な理論が出てきます。
いきなり全て覚えるのは難しいでしょう。
最初は1つだけでも良いので覚えておくと、一気にレパートリーが増えていきます。
少しずつ実際の調理の中で使えるようになると良いですね。
まとめ

今回の記事をまとめていくよー!
- チェックするポイントは流れと量!
- 気の流れ、量が適切で十分かチェック!
- 血の流れ、量が適切で十分かチェック!
- 熱、寒さなどの症状も観察!
- 体内の液体の量が十分かも確認!

体質チェックが出来ると素材を選びやすくなります!

まずは自分の体質を調べ、適切な素材を選べるようになりましょう。

自分に対応出来るようになると、人に対しても効果的な薬膳を作れるようになるよ!

朔太郎くんも最初はダメダメだったので、上手くできるかどうかは心配しなくて大丈夫です。

ぶっちゃけた話、中医薬膳師(国際薬膳師の前段階)の時代はほとんど薬膳作らなかったくらい不勉強だったよ……。

まずは作ってみてください。
トライアンドエラーの精神でいきましょうね。

最後までご覧くださり、ありがとうございました!
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