薬膳料理の効果ってなに?食べると何に効くものなの?

薬膳料理の効果ってなに? 理論や症状
薬膳料理の効果を徹底解説!
さくたろう
さくたろう

こんにちはー、国際薬膳師の朔太郎です!

たまも
たまも

朔太郎くんの先生、玉藻です。

さくたろう
さくたろう

先生、「薬膳料理ってどんな効果があるの?」ってよく聞かれるんですが、どう答えたらいいんでしょうか?

たまも
たまも

一言で説明するのは難しいですね……。

 

さくたろう
さくたろう

相手が専門家じゃなくても分かりやすく説明できるようになりたいです!

お手本を見せてください!

たまも
たまも

分かりました。

少し長くなりますが、できるだけ頑張ってみましょうね。

この記事の概要

  • 薬膳料理の効果は使われる食薬によって異なる
  • 代表的な効果と適応症は各項を参照してください

 

薬膳料理の効果って何なの?

薬膳料理の効果は使われている食薬、中薬によって多岐に渡ります。

悪寒を取り除く、熱による症状を抑える、咳を止める、冷え性を改善する、血の流れを良くする、心をリラックスさせる等々、挙げればキリがありません。

ここでは薬膳料理に使われる素材が持つ代表的な効果と適応症について大まかに解説していきます。

たまも
たまも

それでは薬膳料理が具体的にどのような効果を持つのか、確認していきましょう。

 

薬膳料理の効果1 解表(げひょう)

解表(げひょう)とは発汗作用により邪気を駆逐し、気の流れを調整する事で表証(外患病の初期段階)を治療する作用の事です。

解表類は辛温解表類(しんおんげひょうるい)、辛涼解表類(しんりょうげひょうるい)の2種類あります。

寒い時期の風邪などには辛温解表類、暑い時期には辛涼解表類が使われやすいですね。

たまも
たまも

例えば風邪を引いた時に生姜やネギ等、体を温めるものを使うのはこの解表の効果を得るためですよ。

さくたろう
さくたろう

へー! 知らないうちに普段の生活でもやっていたんですね!

代表的な食薬をいくつかまとめてみましょう。

  • 紫蘇
  • 生姜
  • 葱白(ネギの白い部分)
  • 三つ葉
  • 薄荷(ミントの事)

 

薬膳料理の効果2 清熱

薬膳料理の効果、清熱とは?

清熱は解毒、涼血の効果も含む!

清熱とは清熱、解毒、涼血などの効果により※裏熱証(りねつしょう)を治療する作用の事です。

裏熱症=外患病の後期段階若しくは病邪が臓腑、血脈、骨髄に侵入した状態

たまも
たまも

清熱類は陽気を傷付ける場合があります。

産後には使うのを避けましょう。

清熱類の食薬をいくつかご紹介します。

  • セロリ
  • 白菜
  • キュウリ
  • トマト
  • リンゴ

 

薬膳料理の効果3 去湿

去湿とは水液代謝の調整を行い※水湿証を改善する効果の事です。

水湿証=むくみや下痢など体内の水液代謝の異常

去湿類は3種類あります。

  1. 利水滲湿(利尿作用により水分の調整を図る)
  2. 芳香化湿(辛香温燥『しんこうおんそう』)により水液以上を改善
  3. 去風湿(きょふうしつ)筋肉、経絡、筋骨の風湿邪気を取り除く
たまも
たまも

最初は難しく考えず、去風湿類=水液の代謝異常を改善するものと大まかに覚えておけば良いですよ。

さくたろう
さくたろう

分かりました、先生!

たまも
たまも

あなたは国際薬膳師なので正確に覚えないと許しません。

……。

去風湿類に含まれる食薬、中薬をいくつかまとめましょう。

  • 金針菜
  • 小豆
  • ソラマメ
  • ハト麦
  • トウモロコシ

 

薬膳料理の効果4 温裏(おんり)

温裏(おんり)とは臓腑を温め抗寒作用を高める事により※裏寒証(りかんしょう)を改善する作用の事です。

裏寒証=陽気の巡りに異常が起こり、お腹の突然の冷え、下痢、疼痛などの症状が出る状態

たまも
たまも

温裏類には香辛料が多いので、分量に気を付けながら使うと良いでしょう。

温裏類に含まれる食薬、中薬を簡単にまとめます。

  • 胡椒
  • 桂花
  • 桂皮
  • ニラ
  • 黒砂糖

 

薬膳料理の効果5 理気

薬膳料理の効果、理気とは?

理気は気の流れを整える効果の事!

理気(りき)とは気の流れを順調にし、臓腑の機能を調整する事により鬱、※気滞、※気逆などの症状を改善する作用の事です。

気滞=気が滞っている状態(鬱症や刺すような痛みなどの症状が代表的)

気逆=気が逆行している状態(頭痛や吐き気、怒りやすい症状が代表的)

さくたろう
さくたろう

ここは僕の得意分野!

理気類は使う食薬、中薬によっては気を消耗し、陰液を傷付けるので注意しよう!

理気類の食薬をいくつかまとめます。

  • そば
  • ゆず
  • みかん
  • らっきょう
  • 玉ねぎ

 

薬膳料理の効果6 理血

理血とは活血化瘀(かっけつかお)、止血、補血、涼血により血に関する異常を改善する作用の事。

止血は出血証を改善し、活血化瘀(かっけつかお)は血液循環を改善する作用の事。

補血は補益類、涼血は清熱類に含まれるので、詳しくは各箇所を参照。
さくたろう
さくたろう

活血化瘀の効果を持つ食薬、中薬は出血症状(月経を含む)がある時には避けておこうね!

たまも
たまも

では、朔太郎くん。

血を貯めるのは五臓の中でどこですか?

さくたろう
さくたろう

肝だったような……。

たまも
たまも

そうです。

では、肝の状態が目視できる体の部位はどこでしょう?

……。

たまも
たまも

爪です。

国際薬膳師ならちゃんとお勉強しましょうね。

理血類に含まれる食薬は以下のようになります。

  • 黒木耳(きくらげ)
  • 蓮根
  • ナス
  • お酢
  • オカラ

 

薬膳料理の効果7 消食(しょうしょく)

消食とは脾胃の機能を強め消化を促進する事によって消化不良を改善する作用の事です。

たまも
たまも

消食はげっぷ、嘔吐、食欲不振、胸やけなどを改善する作用の事ですよ。

消食類に入っている食薬をまとめます。

  • 大根
  • カブ
  • 大麦
  • オクラ
  • 山査子(さんざし)

 

薬膳料理の効果8 化痰止咳平喘(かたんしがいへいぜい)

化痰止咳平喘(かたんしがいへいぜい)とは呼吸機能を改善し咳、喘息、※痰飲(たんいん)を治療する作用の事です。

痰飲=水液の代謝異常により生まれる病的な物質

たまも
たまも

痰飲(たんいん)については別の場所で詳しく解説しますね。

ここでは水液の代謝異常で生まれる病的な物質とだけ把握しておいてください。

化痰止咳平喘類に含まれる食薬をまとめます。

  • のり
  • 昆布
  • アサリ
  • 里芋
  • タケノコ

 

薬膳料理の効果9 補気

薬膳料理の効果、補気とは?

補気類で気を貯め、理気類で気を流す!

補気とは臓腑機能を強め※気虚(ききょ)証を改善する作用の事です。

気虚証=気が不足する事により息切れ、疲れ、めまい、動くと悪化する等の症状が出ている状態。

さくたろう
さくたろう

気虚(ききょ)になる原因は過労、虚弱体質、衰老(すいろう)、慢性的な病などがあるよ!

たまも
たまも

朔太郎くん、補気類は気滞を生みやすいので理気類と一緒に使うと良い事を覚えていますか?

 

さくたろう
さくたろう

……。

たまも
たまも

国際薬膳師ならちゃんとお勉強しましょうね。

補気類に含まれる食薬をまとめてみましょう。

  • うるち米
  • もち米
  • 鶏肉
  • ジャガイモ
  • かぼちゃ

 

薬膳料理の効果10 補血

補血とは血液を補い、各組織を滋養しながら※血虚(けっきょ)証を改善する作用の事です。

血虚証=血が不足しめまい、不眠、生理不順、四肢のしびれなどが現れる症状の事。

さくたろう
さくたろう

血虚証になる原因はストレス、慢性病、虚弱体質、瘀血(血の巡りを阻害する血の塊)などがあるよ!

たまも
たまも

補血類と一緒に適度な量の補気類を使うと良い理由が分かりますか? 朔太郎くん。

さくたろう
さくたろう

血は気の母、気は血の帥ですよね!

 

たまも
たまも

そうです。

気と血は切っても切れない関係なので同時に使うと良いのです。

では、補気による補血効果を持つ代表的な漢方薬は何だったでしょうか?

……。

たまも
たまも

当帰補血湯(とうきほけつとう)です。

国際薬膳師ならちゃんとお勉強しましょうね。

補血類に含まれる食薬を簡単にまとめます。

  • ブドウ
  • 人参
  • ほうれん草
  • イカ
  • タコ

 

薬膳料理の効果11 補陽(ほよう)

補陽とは抗寒能力、精髄、筋骨を強めて主に※腎陽虚(じんようきょ)を改善する作用の事です。

腎陽虚=腰、腹部、膝の冷え、痛みなどを中心とする冷えの症状の事。

たまも
たまも

陽虚については別の場所で詳しく解説しますね。

少し説明が多めに必要な症状なのです。

ここでは冷えなどが悪化した状態だと理解してください。

さくたろう
さくたろう

ここら辺は腎の働きをしっかり押さえないと少し難しいところでもあるんだよね!

補陽類に含まれる食薬をまとめてみましょう。

  • クルミ
  • 羊肉
  • 冬虫夏草(とうちゅうかそう)
  • エビ
  • イワナ

 

薬膳料理の効果12 滋陰(じいん)

滋陰(じいん)は体内の※陰液(いんえき)を養い臓腑を潤し※陰虚証を改善する作用の事です。

陰液(いんえき)=精、津液(しんえき)、血など体内にある液体の総称。

陰虚証=臓腑の機能低下により精、津液(しんえき)、血などの陰液(いんえき)が不足する事で起きる不調。

さくたろう
さくたろう

陰虚証になるとほてり、微熱、喉が渇きやすい、盗汗(とうかん)などが起こるんだよ!

たまも
たまも

では朔太郎くん、盗汗(とうかん)とは何の事だったでしょう?

さくたろう
さくたろう

ね、寝汗の事だったと思います……。

たまも
たまも

そうです。

寝汗を盗汗(とうかん)と言う由来は何ですか?

さくたろう
さくたろう

……。

たまも
たまも

寝ている間に汗が盗まれるようにして出る事から盗汗(とうかん)と言われています。

国際薬膳師ならちゃんとお勉強しましょうね。

滋陰類に含まれる食薬を簡単にまとめてみましょう。

  • 牛乳
  • チーズ
  • 豚肉
  • ゴマ

 

薬膳料理の効果13 収渋(しゅうじゅう)

薬膳料理の効果、収渋とは?

収渋は固める、引き締めるの意味!

収渋(しゅうじゅう)とは臓腑の持つ※固渋(こじゅう)機能を強め※滑脱(かつだつ)証を改善する作用の事です。

固渋(こじゅう)=固める、引き締める事

滑脱証=盗汗(とうかん)、夢精、頻尿、失血などの症状

たまも
たまも

イメージするのが難しい収渋類ですが、食薬を確認すれば雰囲気を掴みやすくなりますよ。

有名なのは韓国の五味子(オミジャ)茶です。

収渋類に含まれている食薬をまとめてみましょう。

  • レモン
  • スターフルーツ
  • ザクロ
  • 浮小麦(小麦を水につけた時に浮いてくるもの)
  • 五味子(ごみし)

 

まとめ

たまも
たまも

ここまで解説をしてきた通り、使われる素材によって薬膳料理には数々の効果があります。

さくたろう
さくたろう

その時々に応じて必要な薬膳料理、素材が変わるっていう事ですね!

たまも
たまも

そういう事です。

今は難しく感じる部分もあるかと思います。

時間を掛けて薬膳の世界に親しんでもらえると嬉しいです。

さくたろう
さくたろう

薬膳ってわかるようになると本当に面白いよ!

たまも
たまも

今回はっきりしました。

あなたは国際薬膳師なのだから、もうちょっとしっかりお勉強した方が良さそうですね。

す、すみません、先生……。

たまも
たまも

最後までご覧くださり、ありがとうございました。

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