

朔太郎くんの先生、玉藻です。

この前、飲み会で「生薬と漢方って何が違うの?」と質問されたんですよ。

よくある話ですね。
どのように答えたんですか?

大体そんなもんだよね! って言っておきましたよ!

……。

(ヤバイ、すごい怒ってる……。)

飲み会だし、詳しく説明すると空気壊れるかなぁって思ったんです!

それではここで名誉挽回してくださいね。
生薬と漢方の違いを誰にでも分かるように解説してもらいましょう。

分かりました……。
この記事の概要

まずはこの記事の概要からどうぞー!
- 生薬は素材の名前、漢方は生薬を適切に混ぜ合わせたもの!
- 生薬には植物、鉱物、動物などが含まれる!
それでは早速、本題に入っていきましょう!
生薬と漢方の違いは?
生薬は素材の事で、漢方薬は複数の生薬を混ぜ合わせた複合薬の事です。

味噌と味噌汁の違いみたいなものだよ!
味噌は素材の名前、味噌+具材で味噌汁になるでしょ?
それと同じ!
生薬の効果を掛け合わせ、様々な症状に対応出来るよう配合したものが漢方薬だと思ってください。
ですので、漢方薬は生薬から作られていますが、同じものではありません。
漢方薬は非常に厳密な計算の下、分量なども明確に決められています。
漢方薬を作るために生薬とはどのようなものなのか、その点を掘り下げてみましょう。
生薬になる素材1 植物
生薬は天然の素材であり、食べられるものには全て効能があるとする中医学の概念にも合致します。
天然素材に含まれる代表的なものが植物です。
例えば薄荷や生姜、ハト麦、百合根など非常に多岐に渡る植物が生薬として使われていますね。
私が気に入っている漢方薬の1つに抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)という呪文のようなものがあります。
その中に含まれている生薬を確認してみましょう。
抑肝散加陳皮半夏の成分
- 当帰
- 川芎(せんきゅう)
- 陳皮
- 釣藤鈎(ちょうとうこう)
- 蒼朮(そうじゅつ)
- 茯苓(ぶくりょう)
- 半夏(はんげ)
- 柴胡(さいこ)
- 甘草
中に含まれている生薬は全て植物由来のものです。
この場合で言えば、陳皮や甘草などが生薬名であり、素材を決められた分量混ぜ合わせると抑肝散加陳皮半夏になるという事ですね。
このようにして植物も漢方薬を作る上でとても重要な役割を果たします。
生薬になる素材2 鉱物
植物だけではなく、鉱物なども生薬として利用される事があります。
例えば亀の甲羅を粉にしたものは土鼈甲(どべっこう)という名前の生薬として使われていますよ。
その他には美術室でよく見かけた謎の外人の胸像思い出せますか?
こういうやつです。

石膏も生薬の1つ!
実はニキータの素材になっている石膏も生薬として使われてきました。
利尿作用などがあるとされています。
その他、阿膠(あきょう)という馬の皮から抽出した膠(にかわ)、竜骨(りゅうこつ)と呼ばれる動物の骨の化石なども生薬です。
生薬になる素材3 動物
もちろん、植物や鉱物だけではなく動物も生薬として認識されています。
例えばタツノオトシゴを乾燥させたものが海馬(かいば)という生薬です。
珍しいところで言えばセミの抜け殻が蝉退(せんたい)として生薬に使われています。
このように生薬として利用されるものは非常に幅広いです。
調べてみると楽しい発見がたくさんあります。
興味がある人はぜひ検索してみましょう。

どうですか、先生!
なかなか上出来な解説だったんじゃないでしょうか?

国際薬膳師を名乗るならこのくらいは当然です。

じゃあ、今回の解説はここら辺で終わりにしましょうかね!

それはいけません。
せっかくなので漢方薬と西洋薬の違いも解説してください。
これはとてもよくある質問の1つですよ。
漢方と西洋薬との違いは?

宗教系のシルエットはなぜかストレッチしてるように見える
中医学は全体を見る、西洋医学は部分を見ると言われています。
例えば中医学的には便秘などの症状は体全体のバランスが何か崩れているから起きると考えます。
中医学では便秘にも4種類の原因があり、それぞれに対応した効果を出すために熱を取ったり、冷ましたり、リラックスさせたり、気力を養うなどの方法を使うんですね。
西洋医学は症状が出ている部分に対してピンポイントでアプローチするんです。
便秘を解消すれば良いので、熱を取る、冷ますなどの方法ではなく下剤を利用するという方法になります。
なので、最初に書いたように「中医学は全体を見る、西洋医学は部分を見る」と言われる事があるんです。

どちらが優秀かという話はしていません。
中医学、西洋医学の特徴を説明しているだけなので、中医学(または西洋医学)の方が優れていると誤解しないようお気を付けを。
まとめ

今回の記事をまとめていきます!
- 生薬は素材の名前、漢方は生薬を適切に混ぜ合わせたもの!
- 生薬には植物、鉱物、動物などが含まれる!

どうですか、先生!
結構良い感じの解説だったんじゃないでしょうか!

国際薬膳師なら当然ですよ。
今度からは飲み会とは言えど、ちゃんと説明しましょうね。

それで空気悪くなっちゃったら嫌じゃないですか?

あなたの評価が下がろうと、私には関係ありません。

(自己中な狐だ……。)

私は妖怪なので、心の声も聞こえますからね。

!
さ、最後までご覧くださり、ありがとうございましたー!!
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